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貧民夜想會 旧館


2009年09月06日 この日を編集

_ [book]不幸になりたがる人たち—自虐指向と破滅願望

友人から借りた本

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この本の帯には「心の闇にはどんな魔物が棲んでいるのか?」と書いてある。わたしは、この「心の闇」という言葉が好きではない

正確に言うと、特に若年者による凶悪犯罪が起きたときに雑誌やTVでやたらと使われる「心の闇」という表現が好きではない

連呼される「心の闇」という言葉を聞くと

「心に闇のない奴なんているのか。まるでその犯人にだけ特別に『心の闇』があるような表現をするのはどうなのか」

と思ってしまう

それはさておき

この本に出てくる「不幸になりたがる人たち」は、確かに世間一般の感覚でいえば「おかしい」人たちであると思う。しかしだからといって、自分は「世の中にはおかしな人がいるもんだ」と片付けることはできなかった。自分は彼らのことを笑えないな、と思ったのも確か。そういう意味では読後感はよくない。何がしかの後味の悪さもあった。もちろんそれは、「この本を読まなければよかった」という類のものではない

読後感から連想したのが、大島弓子「ダイエット」

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「ダイエット」を最初に読んだのは20年ほど前だけど、「この作品を読んで笑える女の人がいたら尊敬する」と思った。その感覚は今でも変わらない

もちろん、「ダイエット」はフィクションだし、主人公と「不幸になりたがる人たち」が重なるわけでもない。そして「ダイエット」のラストは救いのあるものだったけど、この本は別に救いがあるわけでもない。重なる点は「この人たちを笑えない」という点だけだけなんだけど

…………………………

この本は友人から借りたのだけど、借りたときに友人が読みながら貼った付箋がついていた。それはそのままにして、自分は自分で付箋を貼りながら読むことにした

友人が貼った付箋は14枚、わたしが貼ったのは22枚。重なったのは3枚。「視点の違い」のようなものが付箋から見えてきた。自分で本を読んで付箋を貼っているだけだとこういう違いは見えてこないので、なかなか興味深い

わたしが貼った枚数が増えたのは、取り上げられている本の題名部分にも付箋を貼っているから、というのもあると思う

その重なった3枚のうち1枚は

…まあいずれにせよ、語彙が貧弱で表現能力が拙いことは不幸の中でもかなりグレードが高い筈である。

という部分。これを読んで思い出したのが、IT教育・識字教育ネットリテラシーやメディアリテラシー以前に、「プチ文盲」な人が多くないかという2つのエントリ

「表現する=自分から発する」ことと「文字から情報を取り込む=自分の中に取り入れる」ことは、方向としては逆ともいえるけど、でも根底ではつながっているのではないか

そして自分自身、表現するにしても文字から情報を取り込むにしても、うまくできないもどかしさを感じたり、それらがうまくできないことによって自分自身が不利益を被ったり、逆に人に迷惑をかけたこともあるので、こういうところは改善していかないといけない

あと、「奇人」について触れた部分で

画才のない岡本太郎、文才のない内田百けん (本文では正しい漢字) など何の奥行きもあるまい

と言う表現があった。ごもっとも。言いたいことは非常によくわかる

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